道路交通需要予測の理論と適用
第 I 編 利用者均衡配分の適用に向けて
土木学会 土木計画学研究委員会・交通需要予測技術検討小委員会/編集社団法人土木学会/発行者 2003年8月/発行年月 A4判・194頁 定価=1,260円(税込) -------------- 毛利雄一、牧村和彦、高橋勝美、松井浩、趙勝川、中嶋康博、井上紳一 |
道路交通需要予測については、道路交通センサスやパーソントリップ調査等の実施に伴い、データの蓄積も進み、四段階推計法を中心として様々な方法論が提案され、我が国の道路整備計画に適用されてきた。
しかし、近年の道路事業に対する様々な批判に見られるように、道路整備計画の考え方や事業実施に向けての客観性や透明性を持った説明がより強く求められる ようになってきている。特に道路整備計画の重要な基礎的情報を提供する交通需要予測については、これまでにも増して予測方法に対する論理性が求められている。
本書では、これまでの道路交通需要予測手法に対し、次のような視点から実務に適用できるようにとりまとめを行った。
○客観性・透明性を持ったグローバルスタンダードな手法
○現状の課題を改善し、可能な限り最新の理論を適用した予測手法
○予測精度をより向上させるための予測手法
○実務的に適用可能な操作性に優れた予測手法
○多様な政策の評価への応用が可能な予測手法
今回とりまとめた第 I 編は、実務上の標準的な予測手法を改良すべく、理論的な背景に優れた利用者均衡配分の適用を中心に構成した。(本書より)
<目次>
第1章 本書の構成と使い方
第2章 交通需要予測の考え方・役割
2-1 交通需要予測の役割と限界
2-2 交通需要予測のプロセス
第3章 交通需要予測のための交通調査及び交通データ
3-1 交通データの特徴と内容
3-2 道路交通需要予測のODデータ
第4章 四段階推計法
4-1 四段階推計法の考え方
4-2 生成交通量の予測
4-3 発生・集中交通量の予測
4-4 分布交通量の予測
4-5 交通機関別分担交通量の予測
4-6 配分交通量の予測
第5章 利用者均衡配分モデルによる日配分交通量の予測
5-1 理論編
5-1-1 利用者均衡配分の基本的な考え方
5-1-2 モデルの前提条件
5-1-3 モデルの解法
5-2 適用編
5-2-1 配分作業の手順
5-2-2 インプットデータの準備
5-2-3 配分計算について
5-2-4 アウトプット項目の準備
5-3 実証編
5-3-1 分析の概要
5-3-2 分析の結果
第6章 利用者均衡配分の拡張に向けて
6-1 利用者均衡配分の発展モデル
6-2 確率的利用者均衡配分モデル
6-3 マルチクラス配分モデル
6-4 需要変動型予測手法
6-5 時間帯別均衡配分モデル
Appendix 1 リンクパフォーマンス関数の推定
Appendix 2 利用者均衡配分モデルの定式化及び数理最適化問題との等価性
Appendix 3 海外の交通需要予測
Appendix 4 交通需要予測ソフトウェアの概要