IBS計量計画研究所

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平成25年度IBS研究発表会

概要

日 時 平成25年8月26日(月) 10:00~14:30
会 場 アルカディア市ヶ谷(私学会館)「富士(西)」
  • 会場の様子 会場の様子

プログラム

プログラム内容

挨拶(黒川洸 代表理事)
  • 黒川洸 代表理事

低炭素まちづくりのための評価ツールの適用

発表者馬場 剛(環境・資源研究室 室長)

  • 馬場 剛

 地球環境や少子高齢社会に配慮したコンパクトなまちづくりに取り組むために「都市の低炭素化の促進に関する法律」が制定され、地方自治体は「低炭素まちづくり計画」を策定できるようになりました。
 しかし、「低炭素まちづくり計画」における施策の低炭素化効果の推計は、推計方法が難しく、市町村の負担が大きくなっています。そこで、計画作成を支援するために、都市構造・交通施策の実施による低炭素化の効果を簡便に評価するツールを開発しました。
 また、人口減少・超高齢化や財政制約にも対応した「持続可能な都市」に向けては、環境面だけでなく、社会面、経済面も含めた総合的な検討が必要です。そこで、都市計画マスタープランを検討する際に、都市の将来像及び代替案を社会・経済・環境の側面から客観的かつ容易に把握できる評価ツールを開発してきました。
 本発表では、これら2種類のツールについて紹介しました。

プローブデータから収集したヒヤリハット情報の交通安全対策への活用

~ビッグデータを用いた予防安全型の対策の普及に向けて~

発表者絹田 裕一 (社会基盤計画研究室 主任研究員)

  • 絹田 裕一

 近年、車両の走行挙動を客観的に把握できるプローブデータが、ビッグデータよ呼べる規模にまで増加してきたことにより、従来把握できなかった情報が「見える化」してきた。道路交通安全分野においては、交通事故には至らなかった危険事象(急ブレーキ)等を検出し、その発生状況を定量的に把握することが可能となっている。
 本発表では、プローブデータから把握した危険事象の情報が道路交通安全対策上有用な情報であることを示すとともに、危険事象の解消を目指した対策実施事例を紹介した。

支援物資物流のシステム化を支える計画・インフラ整備

発表者渡邉 一成(研究部 主任研究員)

  • 渡邉 一成

 東日本大震災の被災地では、被災自治体の機能低下や自治体職員の物流ノウハウの不足等から、支援物資が物資集積拠点に滞留、被災者に物資供給ができない等の問題が発生しました。
 本研究は、国土交通省関東運輸局が平成23・24年度に検討した首都直下地震等に対応した支援物資物流システムの構築に関する検討結果を踏まえ、災害時の緊急支援物資等に係る物流の課題・あり方について考察したものであり、①支援物資物流とは?、②支援物資物流の現状と課題、③課題を克服するための方策、④まとめ~各主体が取り組むべきこと~、について報告した。

津波避難とまちづくり

発表者石神 孝裕(都市・地域計画研究室 室長)

  • 石神 孝裕

 我が国では、南海トラフ地震をはじめとする海溝型の地震が、近い将来、高い確率で発生する可能性があると言われている。
 東日本大震災による被災地以外の地域においても、津波に強いまちづくりを進めることが急務である。
 本発表は、都市計画やまちづくりの観点から津波防災を検討するにあたっての考え方や、津波避難困難者の定量的な分析手法について紹介した。この中では、防災まちづくりを進める際には、定量的な分析手法を活用して総合的な対応を検討すべきであること、また、必要な知見、ノウハウ、データを持つ都市計画関連部署が主体的に津波防災まちづくりに係わるべき点を指摘した。

都市間交通のサービス水準に関する国際比較

~総合的な交通体系の構築に向けて~

発表者萩原 剛(社会基盤計画研究室 研究員)

  • 萩原 剛

 我が国における総合的な交通体系の水準をより的確に把握するためには、施設数や整備延長といったインフラの整備水準だけでなく、サービス水準を合わせて把握することが重要である。
 この認識のもと、本発表では、我が国と諸外国における都市間交通サービス水準(所要時間)を整理・比較するとともに、その差異が生じる要因として考えられる事象を整理した。

特別講演

レジリエントな国土とは

発表者森地 茂 氏(政策研究大学院大学 教授)

  • 森地 茂 氏

 「レジリエントな国土とは」というタイトルで、多角的な視点からの研究成果を紹介して頂きました。具体的には、①人口減少で日本の経済は縮小するか?(国土形成計画の方向性)、②東京圏への人口集中、③地方市町村の持続可能性、④都道府県別経済成長の実態について、これまでの研究成果を紹介して頂くとともに、最後に、内閣官房に設置された「ナショナル・レジリエンス懇談会」での議論の内容についても紹介して頂きました。

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