第1課題 海外における都市の地区物流対策の取組みに関する考察 坂井 孝典(東京海洋大学学術研究院 流通情報工学部門 准教授) 概要: EC物流の需要増は世界的な潮流となっている。その最大のボトルネックはラストマイル配送といわれ、日本も含め世界中でラストマイル配送のための地区物流対策が課題となっている。一方、具体的な地区物流対策の内容は各国で異なり、日本では都市内配送拠点の立地規制はないが路上での駐停車に対する規制が厳しく、一方欧州ではそもそも都市内への配送拠点の立地が難しい都市が多い。 本研究では、欧州を含めた海外の複数都市を調査対象に、地区物流対策の取組み等について情報収集し、それぞれの関係性を整理したうえで、日本との比較整理を通して我が国の都市・交通政策への示唆と課題を考察する。 第2課題 台湾におけるLRT整備の経緯とその事後評価 邱 秉瑜(一般財団法人運輸総合研究所 研究員) 李 晨瑋(株式会社アルメック海外事業本部交通計画部 マネージャー) 概要: 台湾では、近年、高雄市の環状LRT、新北市の淡海LRT、安坑LRTが整備・開業している。本研究では、これら台湾おけるLRT整備に関する計画構想と整備に至る経緯を整理するとともに、それに関連する沿線都市開発、都市交通政策を含む取組みや今後の延伸計画等について整理する。また、これらの整理を踏まえ、2023年8月に開業した宇都宮LRTをはじめとする日本におけるLRT整備との比較を通じ、今後の我が国におけるLRT整備に関する課題をまとめる。 IBSフェローシップ委嘱課題の一覧へ戻る