IBS計量計画研究所

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バスサービスハンドブック

バスサービスハンドブック
バスサービスハンドブック
社団法人土木学会/編集・発行
2006年11月/発行年月
A5判・433頁 定価=3,400円(税別)
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秋元伸裕

 本ハンドブックの第一の目的は、必ずしも高い専門技術を持たない自治体の担当者や住民等に自地域の状況に即した施策を見出す手がかりを提供することである。また、この分野に新たな展開を図ろうとするコンサルタント等にも基本的な情報を与えることを意図している。(中略)
 第二の目的は、バスサービスに関する技術の向上とそのための情報の蓄積である。各地で生じている生活交通問題に際し、さまざまな検討がなされているにもかかわらず、そこで得られた知見がその場限りのものとして埋もれてしまっていることが多い。(中略)
 本書は、「事例集」でも「論文集」でもない、体系的な問題解決の検討方策を支援するためのハンドブックである。課題に直面している担当者や住民が自ら必要な情報を集め、状況を分析し、これまでに蓄積されているさまざまな手法等を組み合わせて処方箋を組み上げるための道具立ての提供を目指した。また、既に述べたように、技術を精選し蓄積していくための社会的装置としての機能をも持たせている。

<目次>
はじめに
第 I 編 バスサービスを取りまく環境と地域の役割
 1章 バスサービスの役割と諸問題
  1.1 市民の足を守る
  1.2 公共交通体系におけるバスの役割
  1.3 サービス供給制度の原理と変革の必要性
  1.4 費用負担と競争的市場の整備
 2章 規制緩和に伴う環境の変化
 3章 地域・自治体(行政)が果たすべき役割
  3.1 コミュニティバスの流行と意義
  3.2 コミュニティバスの危険性とその克服
  3.3 市民の足を守る政策の推進主体としての自治体
 4章 政策科学的手法による総合交通計画の策定
  4.1 基本構想の重要性
  4.2 公共交通計画の策定
  4.3 サービス供給計画の策定
第 II 編 政策課題への対処の基本的手順と留意事項
  概説
  課題例1 事業者から路線廃止の届出が出された
  課題例2 事業者からサービス切り下げの打診があった
  課題例3 新規の参入希望が出された
  課題例4 自治体負担が増大しているため、自治体の制度を見直したい
  課題例5 市町村合併に伴い公共交通サービスを再編したい
  課題例6 バス優先の交通計画を策定したい
  課題例7 路線の再編をしたい
  課題例8 コミュニティバスを走らせたい
  課題例9 DRT型のバスを走らせたい
  課題例10 ボランティア輸送を実施したい
  課題例11 住民が主体となって新しくバスを走らせたい
第 III 編 分析・計画の技法と手法
 1章 バスサービスの市場とサービス供給体制
  1.1 バスの「市場」とは何か
  1.2 従来の需給調整と路線免許の意義
  1.3 市場形成は交通計画の中で
  1.4 交通(いわゆる路線)計画の策定
  1.5 競争による市場の分割=路線事業者の決定
  1.6 地域行政による路線管理の実施に向けて
  1.7 路線バスサービスをめぐる各主体のかかわり方
 2章 調査
  2.1 概要
  2.2 既存調査データ活用の可能性と限界
  2.3 交通実態・ニーズの把握
  2.4 生活実態調査
  2.5 乗降実態調査
  2.6 意識調査
  2.7 潜在ニーズ調査
  2.8 運行状況調査
 3章 分析
  3.1 概要
  3.2 経営環境の分析
  3.3 生活・交通実態の分析
  3.4 ニーズの充足状況の分析
  3.5 利用者数の推計
  3.6 費用構造分析
  3.7 生産性分析
  3.8 採算性分析
 4章 設計
  4.1 概要
  4.2 市場整備
  4.3 公共負担方式の設計
  4.4 住民参加
  4.5 運営・運行方式に関わる制度
  4.6 事業者選定
  4.7 補助金制度
  4.8 路線網設計
  4.9 運行形態の選定
  4.10 運行計画
  4.11 運賃設定
  4.12 施設整備
  4.13 車両選定
 5章 評価
  5.1 概要
  5.2 サービスの評価
  5.3 事業評価
  5.4 政策評価
 6章 利用促進策
  6.1 概要
  6.2 一般的なプロモーション手法
  6.3 案内情報提供
  6.4 調査を活用した利用促進
  6.5 社会実験
おわりに
付録A1 運行届出申請
付録A2 補助金申請

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