IBS計量計画研究所

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2015年度(第20回)フェローシップ:2015~2017年

第1課題
環境首都ストックホルムの持続可能な都市の取り組み
福田 大輔 (東京工業大学大学院理工学研究科)
概要:
 ストックホルムはEUのグリーンキャピタル制度の初代の環境首都に2010年に選出された。これに伴い、2050年に化石燃料使用量ゼロを目指すfossil fuel free cityに取組中である。交通政策としては、自転車インフラの整備、自転車道の冬期維持管理、バイクシェアリング、情報提供など自転車施策に積極的に取り組み、10年間で自転車利用者が8割増加した。また、サステイナブルなまちを目指しているハンマルビーショースタッド地区は、五輪招致の際の選手村候補地でもあり、自然エネルギーと廃棄物の徹底利用、住民の8割が公共交通、自転車、徒歩で通勤することを目指している。さらに、石油やガスタンク基地を移転させた沿岸地域の都市開発であるロイヤル・シーポートは、化石燃料使用量ゼロを前倒しし、2030年に実現を計画させ、エネルギー消費量全体の30%を自給自足する世界一のスマートシティを目指している。
 本研究では、このようなストックホルムにおける環境都市として具体的な取り組み(計画・プログラム、財源、組織等)について、情報収集と整理を行うとともに、我が国における都市・交通政策への適用可能性と課題を明確にする。
第2課題
バンコクの軌道系公共交通機関沿線における土地開発の実態
福田 敦 (日本大学理工学部)
概要:
 タイの首都バンコクでは、増加する自動車交通によって発生する交通問題に抜本的に対応するために、2029年までに約508kmに及ぶ軌道系公共交通機関を整備する計画である。しかしながら、軌道系公共交通機関と連動した沿線開発のための制度的枠組みが弱く、近年整備されたエアポートリンクレールや来年開業予定のパープルラインの沿線においても、無秩序な土地開発が行われており、自動車利用から公共交通利用への転換が進まない大きな原因となっている。
 本研究では、近年の政治情勢等も踏まえ、タイにおける軌道系公共交通機関および都市計画に関連する行政機関、事業主体を対象に、軌道系公共交通機関と沿線開発に関連する制度的な枠組み(土地制度等)を資料収集・ヒアリングなどにより調査し、わが国における沿線開発の手法と比較することでその課題を明らかにする。加えて、エアポートリンクレールおよびパープルライン沿線における住宅地の開発実態と居住者の交通実態を把握し、軌道系公共交通機関と沿線開発を連携した場合に想定される効果について分析する。

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