IBS計量計画研究所

English

2022年IBSフェローシップ発表会

概要

 2022年 IBSフェローシップ発表会は、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、来場者数の削減や会場内の感染対策とあわせて、リアルタイムでの配信を併行して開催いたしました。
 ご発表頂きました皆様方、ならびにお忙しい中会場および配信にてご参加頂きました皆様方に、厚く御礼申し上げます。

日 時 2022年7月12日(火) 13:00~16:30
会 場 御茶ノ水ソラシティカンファレンス「Hall WEST」

プログラム

最終発表

EUシェアードスペースプロジェクトの事後評価とその後の展開

発表者西村 亮彦(国士舘大学 理工学部 まちづくり学系 講師)

 2004~2008年に行われたEUのシェアードスペースプロジェクトにおいて実施されたモデル地区を対象に、その特徴と安全性向上や経済的効果等、多角的な視点から事後評価を実施します。また、プレイスメイキングやエリアマネジメント、Link&Place、パークレットの設置、路面電車の復活や自転車の活用、自動運転やスローモビリティの導入等、EUのシェアードスペースプロジェクト実施後、新たに道路空間活用がどのように考えられ、またどのように展開しているか調査・整理します。さらに、わが国において、シェアードスペースの導入を検討する際の期待や留意点についての知見をとりまとめます。
 2022年IBSフェローシップ発表会では、シェアードスペース実施の事後評価と、実施後の動向としてEU各国における多数の事例整備後の主要プロジェクトのレビューに加え、我が国におけるシェアードスペース導入検討に向けたガイドラインの考察、および国内の類似事例の整理などの報告がありました。

ボストン ビッグディッグ プロジェクトの事後評価

発表者日比野 直彦(政策研究大学院大学 教授)

 既存の都市内高速道路の地下化事業として実施された、米国・ボストンの大規模事業「Big Dig(ビッグディッグ)」の完成から10年以上を経ました。ビッグディッグ事業では、その建設技術だけでなく、建設工事中のミティゲーション、高速道路跡地利用、ウォータフロント等の周辺地区再開発と住宅開発等、様々な事業が実施されました。一方で、工期の延期や事業費の増大、完成後の天井板落下事故等の課題も大きく取り上げられました。
 本テーマでは、ビッグディッグ事業でボストンの都市、交通、経済等がどう変化したかの事後評価を行い、またビッグディッグ事業の歴史的経緯を踏まえ、わが国における地下道路整備に関する知見をとりまとめます。
 2022年IBSフェローシップ発表会では、プロジェクト概略に加えてサウスボストンにおける再開発の概要と現況の報告、また政治的視点での考察を交えたビッグディッグ事業の評価について報告がありました。

中間発表

COVID-19の影響による交通事業者支援施策のレビューおよび効果

発表者柴山 多佳児(ウィーン工科大学交通研究所 研究員)

※柴山先生はウィーンからオンラインにて発表頂きました。

 COVID-19影響下の各国における、公共交通機関の利用状況・運営状況の情報収集、課題整理を行うとともに、政府による対応施策のレビュー、施策実施の背景およびその効果分析を行います。分析に際しては、我が国の状況とも比較し、公共交通の利用状況や、公共交通機関の運営形態・支援体制の違い等も踏まえ、ニューノーマルに対応した我が国における今後の公共交通施策のみならず、公共交通運営事業に対する支援のあり方を含めた示唆を得ることを目的とします。
 2022年IBSフェローシップ発表会では、研究遂行に当たっての具体的な方針および効果分析と調査の枠組み、また各国の協力者や資料、今後の調査スケジュールなどについて発表されました。

都市のデジタルツインにおける人流シミュレーションの展望と課題

発表者原口 正彦(人間文化研究機構・総合地球環境学研究所(日本学術振興会 特別研究員))

 海外における人流に関するビッグデータの取得とシミュレーションが、実際にどのような都市でどのように活用されているかを整理するとともに、ビジネスモデル、プライバシーへの懸念などの課題への対応などについて調査・整理を行います。また、これらをもとに、わが国における同様の取り組みへの示唆、産官学の連携等への知見や課題を整理することを目的とします。
 2022年IBSフェローシップ発表会では、中間発表として、デジタルツインシティの概略説明に続いて、EU複数都市で展開中の「DUET」試行やダブリン市での事例の紹介、および今後の調査計画について報告がありました。

初年度発表

カーボンニュートラルに寄与する都市政策に関する動向

発表者松浦 健治郎(千葉大学工学研究院 建築学コース 准教授)

 本研究は、諸外国における複数の先進的なカーボンニュートラル都市を対象とし、カーボンニュートラルな都市政策の体系的なレビューを行い、施策の特徴や期待されるCO2削減効果などを明らかにするとともに、これらの施策の日本への適用可能性について整理することを目的とします。
 2022年IBSフェローシップ発表会では、初回発表として、本テーマに則った研究内容とその方法の概要、および研究計画についての発表に加えて、カーボンニュートラル施策の各国の動向について報告がありました。

ドイツにおける地域公共交通サービスの動向

発表者遠藤 俊太郎(一般財団法人 交通経済研究所 主任研究員)

 本研究では、ドイツにおける地方部(特に人口減少地域)を対象とした地域公共交通サービスの現状を把握するとともに、地域公共交通サービスの提供の考え方(法制度、対象モード等)、運営方法(財源、組織(運輸連合を含む))等について最新の動向を収集・整理し、日本における地域公共交通の仕組みとの比較を通じて、今後の課題を明確にすることを目的とします。
 2022年IBSフェローシップ発表会では、日独両国での地域交通周辺環境における類似性の説明と、今後の研究フローと調査工程、およびドイツでの対象地域や同国における現在の地域公共交通サービス動向について発表がありました。

※ 都市計画CPDプログラム認定
  土木学会継続教育(CPD)プログラム認定

IBSフェローシップの一覧へ戻る

PAGETOP