IBS計量計画研究所

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2023年IBSフェローシップ発表会

概要

 2023年IBSフェローシップ発表会は、来場者数を緩和しつつも、昨年に引き続きリアルタイムでの配信を併行して開催いたしました。
 ご発表頂きました皆様方、ならびにお忙しい中会場および配信にてご参加頂きました皆様方に、厚く御礼申し上げます。

日 時 2023年7月11日(火) 13:30~17:00
会 場 御茶ノ水ソラシティカンファレンス「Hall WEST」

プログラム

最終発表

COVID-19の影響による交通事業者支援施策のレビューおよび効果

発表者柴山 多佳児(ウィーン工科大学交通研究所 上席研究員)

 COVID-19影響下の各国における、公共交通機関の利用状況・運営状況の情報収集、課題整理を行うとともに、政府による対応施策のレビュー、施策実施の背景およびその効果分析を行います。分析に際しては、我が国の状況とも比較し、公共交通の利用状況や、公共交通機関の運営形態・支援体制の違い等も踏まえ、ニューノーマルに対応した我が国における今後の公共交通施策のみならず、公共交通運営事業に対する支援のあり方を含めた示唆を得ることを目的とします。
 2023年IBSフェローシップ発表会では、欧米・アジアなど20カ国からの報告概要に加え、日本における状況を踏まえたCOVID-19対応の公共交通支援の総括について報告されました。また、本研究成果を学術書(英文)として発刊予定であるとの発表もありました。

都市のデジタルツインの展望と課題:欧州のプロジェクトを概観して

発表者原口 正彦(ハーバード大学 ポストドクトラル・リサーチフェロー)

 海外における人流に関するビッグデータの取得とシミュレーションが、実際にどのような都市でどのように活用されているかを整理するとともに、ビジネスモデル、プライバシーへの懸念などの課題への対応などについて調査・整理を行います。また、これらをもとに、わが国における同様の取り組みへの示唆、産官学の連携等への知見や課題を整理することを目的とします。
 2023年IBSフェローシップ発表会では、欧州におけるCity Digital Twin(CDT)の事例報告のほか、プロジェクトの比較分析を行い、技術的・社会的課題からの考察と、今後のCDTの可能性について報告がありました。

中間発表

カーボンニュートラルに寄与する都市政策に関する動向

発表者松浦 健治郎(千葉大学工学研究院 建築学コース 准教授)

※松浦先生はフィンランドからオンラインにて発表頂きました。

 本研究は、諸外国における複数の先進的なカーボンニュートラル都市を対象とし、カーボンニュートラルな都市政策の体系的なレビューを行い、施策の特徴や期待されるCO2削減効果などを明らかにするとともに、これらの施策の日本への適用可能性について整理することを目的とします。
 2023年IBSフェローシップ発表会では、カーボンニュートラル実施都市に関する現状を分野・空間・スケールから分類整理するとともに、実施先進都市における施策の特徴やCO2削減効果等に関する現地調査の結果について報告がありました。

ドイツにおける地域公共交通サービスの動向

発表者遠藤 俊太郎(一般財団法人 交通経済研究所 主任研究員)

 本研究では、ドイツにおける地方部(特に人口減少地域)を対象とした地域公共交通サービスの現状を把握するとともに、地域公共交通サービスの提供の考え方(法制度、対象モード等)、運営方法(財源、組織(運輸連合を含む))等について最新の動向を収集・整理し、日本における地域公共交通の仕組みとの比較を通じて、今後の課題を明確にすることを目的とします。
 2023年IBSフェローシップ発表会では、ドイツにおける公共交通の運営・経営方式の特性を踏まえた調査対象地域の選定、現地調査に基づく具体的な対象地域における地域公共交通サービスの実態と課題について、報告がありました。

初年度発表

PARISプロムナード・プランテ、NYハイライン、TOKYOスカイコリドーの比較研究

発表者吉野 和泰(京都大学大学院 博士後期課程)

※吉野先生は、パリ市内プロムナード・プランテ付近からオンラインにて発表頂きました。

 パリ郊外鉄道ヴィンセンス線廃線跡の高架橋につくられたプロムナード・プランテ(4.9km)、およびニューヨークのウエストサイド線の高架部分に建設されたハイライン(2.3km)は、回廊公園や空中緑道として再設計され、多くの利用者に親しまれています。東京においても、東京高速道路(KK線、約2km)で、周辺まちづくりに合わせ、歩行者系ネットワークを形成し、上部空間をTokyo Sky Corridorとして整備する検討が進められています。
 本研究では、これらPARISプロムナード・プランテ、NYハイライン、TOKYOスカイコリドーの3つを対象に、それぞれの歴史的経緯、周辺の再開発、事業方法等の比較研究を行います。
 2023年IBSフェローシップ発表会では、研究対象の1つであるパリのプロムナード・プランテの様子の中継をはさみ、仏・米・日3箇所の対象施設に関する整理と、調査研究方針、研究計画などについて報告がありました。

シアトルのアラスカンウェイ高架橋撤去プロジェクトの経緯と評価

発表者栗山 尚子(神戸大学大学院 工学研究科建築学専攻 准教授)

 良好な都市空間の創出を目的に、2019年初頭、シアトルのアラスカンウェイ高架橋の代替トンネルが完成し、古い高架橋の閉鎖と解体が行われ、ウォーターフロント沿いの新しい開発が行われました。
 本研究では、シアトルのアラスカンウェイ高架橋撤去プロジェクトの経緯を整理するとともに、現状における道路交通の実態と周辺の再開発を含めたウォーターフロントの整備状況を整理し、さらにその評価を行います。
 2023年IBSフェローシップ発表会では、都市としてのシアトルの特徴やアラスカンウェイ高架橋撤去に伴うプロジェクトの経緯に加え、具体的な調査内容や調査スケジュール等に関して報告がありました。

※ 都市計画CPDプログラム認定
  土木学会継続教育(CPD)プログラム認定

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