IBS計量計画研究所

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2026年IBSフェローシップ発表会

概要

 2026年IBSフェローシップ発表会は、同時配信を併用のうえ、収容人数200名の会場にて開催いたしました。
 お忙しい中、会場および配信にてご参加頂きました皆様方に、厚く御礼申し上げます。

日 時 2026年7月13日(月) 13:30~17:00
会 場 御茶ノ水ソラシティカンファレンスセンター「solacity Hall」
  • 会場の様子

プログラム

最終発表

海外における都市の地区物流対策の取組みに関する考察

発表者坂井 孝典(東京海洋大学学術研究院流通情報工学部門 准教授)

※坂井先生はリモートにて発表いただきました
 EC物流の需要増は世界的な潮流となっています。その最大のボトルネックはラストマイル配送といわれ、我が国だけでなく世界各国でラストマイル配送のための地区物流対策が課題となっています。具体的な地区物流対策の内容は国で異なり、日本では都市内配送拠点の立地規制はないものの路上駐停車に対する規制が厳しい一方、欧州ではそもそも都市内への配送拠点の立地が難しいケースが多くみられます。
 そこで本研究では、欧州を含めた海外の複数都市を調査対象に、地区物流対策の取組等について情報収集し、それぞれの関係性を整理したうえで日本との比較を行ない、我が国の都市・交通政策への示唆と課題を考察します。
 2026年IBSフェローシップ発表会では、最終発表として、各国の都市と東京23区におけるラストマイル配送に関する整理に続き、地域特性を踏まえた施策の重要性等について、発表がありました。

台湾におけるLRT整備の経緯とその事後評価

発表者邱 秉瑜(一般財団法人運輸総合研究所 研究員)
       李 晨瑋(株式会社アルメック 海外事業本部交通計画部 マネージャー)

 近年台湾では、高雄市の環状LRT、新北市の淡海LRT、安坑LRTが整備・開業されています。本研究では、これら台湾おけるLRT整備に関する計画構想と整備に至る経緯を整理するとともに、関連する沿線都市開発、都市交通政策を含む取組や今後の延伸計画等について整理し、それらを踏まえて、宇都宮LRT(2023年8月開業)をはじめとする日本におけるLRT整備との比較を通じて、今後の我が国におけるLRT整備に関する課題をまとめます。
 2026年IBSフェローシップ発表会では、最終発表として、台湾LRT3路線の整理と、宇都宮LRTとの日台比較分析を踏まえて、日本におけるLRT発展に向けた提言等の報告がありました。

中間発表

イノベーションディストリクトを支える空間基盤に関する研究

発表者岡田 潤(東京大学大学院 新領域創成科学研究科 特任助教)

 イノベーションディストリクトに関する研究は、主にプレイヤーの組成の在り方や成長を支える経済支援の在り方が中心となっていますが、一方で、地区の立地と都市圏内とのつながりや、交通基盤、交通空間・パブリックスペース、交通手段の使われ方など、空間基盤関連の基本的情報の分析は充分ではありません。
 そこで本研究では、上記の問題意識を踏まえ、米国における都市のイノベーションディストリクト事例を複数対象として、最新の経済・社会面からの都市事情を把握したうえで、その現状の成果と特徴を整理し、日本への応用の方向性について考察するものとします。
 2026年IBSフェローシップ発表会では、中間発表として、ボストンと西海岸Bay Areaの事例整理と、事例を踏まえた発展段階と形成経路によるイノベーションディストリクトの分類を提示し、イノベーションディストリクトを支える都市計画やまちづくり政策について、発表がありました。

タイ国における区画整理事業の展開と課題に関する研究

発表者日野 祐滋(一般社団法人 日本モノレール協会 専務理事)
       大沢 昌玄(日本大学 理工学部 土木工学科 教授)

 タイ国では、区画整理法が2004年に制定され、JICAなど国際協力機関の支援のもとで区画整理手法が導入・実施されてきました。区画整理法の制定20年が経過し、改めて、わが国初の都市整備手法の国際展開であるタイ国の区画整理制度の成果と課題整理は、今後の都市整備手法の国際展開に必要と考えられます。
 本研究では、タイ国での区画整理の事例を取り上げ、最新情報に基づく実態と成果を整理し、同国での区画整理事業の制度的・文化的・技術的な課題を多角的に整理します。
 2026年IBSフェローシップ発表会では、主に地方部における土地区画整理事業での認可・完了地区数の増加等、担当者ヒアリングを含む現地調査の報告がありました。また、区画整理の進行と効果PRを目的としたタイ政府公式動画の紹介がありました。

初年度発表

フランスにおける高速道路コンセッション満了を見据えた料金政策と更新投資の制度設計に関する研究

発表者味水 佑毅(流通経済大学 流通情報学部 教授)
       早川 祥史(一般財団法人道路新産業開発機構 ITS・新道路創生本部 プロジェクトリーダー)

 フランスは、日本と同じく「利用者負担の原則」に基づいて高速道路を整備してきた数少ない国のひとつです。フランスの高速道路料金は「インフラサービスの対価」として位置づけられ、コンセッション契約にCPI連動の料金改定メカニズムが組み込まれており、現在、主要7社のコンセッションが2031年〜2036年にかけて順次満了を迎えるという歴史的な転換期にあります。それに伴い、①コンセッション満了時の道路返還基準の策定、②コンセッション満了後の新たな料金・運営モデルの設計、③フリーフロー課金(料金所撤廃)の実装、という3つの重要課題が同時並行で進行しています。
 そこで本研究では、フランスの交通規制機関(ART)、コンセッション企業(Sanef等)、交通省等へのヒアリングを通じて、インフレ連動型料金改定の制度的メカニズム、更新投資と料金水準のトレードオフの実務、コンセッション満了後を見据えた制度設計に関する議論の詳細を調査するとともに、これらを日本の高速道路料金制度と比較分析することで、日本における今後の持続可能で受容性の高い料金制度の構築に向けた政策的示唆を得ることを目的とします。
 2026年IBSフェローシップ発表会では、コンセッションの概要と論点、研究の主眼、および今後の研究スケジュールについて、発表されました。

欧州における附置義務駐車場に関する制度の変遷と効果に関する研究

発表者吉田 長裕(大阪公立大学大学院 工学研究科 准教授)
       松本 浩和(桃山学院大学 工学部工学科都市デザイン工学専攻 助教
              /株式会社地域未来研究所 交通情報研究室 主任研究員)

 英国・ロンドンでは、駐車場に関して、2004年に上限を定める附置義務への制度変更があり、公共交通の利便性に応じて、中心部における駐車場整備を制限・禁止しています。
 「The Mayor‘s Transport Strategy 2018」(市の交通戦略)では、徒歩・自転車・公共交通の分担率を2041年までに80%以上とする目標を掲げており、附置義務制度の上限コントロールを有効手段としています。
 またロンドン以外の欧州の他都市においても、附置義務により、整備できる台数を制限して残りを金銭で代替して、公的主体が駐車場や公共交通等の整備に充当している事例(ドイツのフランクフルト、ミュンヘン、スウェーデンのウメオ等)がみられます。
 本研究では、ロンドンおよびその他の欧州の都市を対象として、附置義務駐車場に関する制度の変遷と効果(都心部のまちづくりや市民の交通行動にどのような影響を与えているか)を比較整理し、今後の日本の附置義務制度への示唆について考察します。
 2026年IBSフェローシップ発表会では、我が国における付置義務駐車場の背景、ならびに既往調査による国際比較を提示し、調査方針や欧州現地調査を含む今後の研究予定等の発表がありました。

※ 各発表者の所属等は、発表時点のものです。
※ 発表当日は、都合によりプログラム順と異なる順番にて進行しました。

※ 都市計画CPDプログラム認定
  土木学会継続教育(CPD)プログラム認定

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