IBS計量計画研究所

English

1998年度(第5回)フェローシップ:1998~2000年

第1課題
ローマの副都心形成の計画と成果
堀江 興 (新潟工科大学教授)
概要:
 イタリアの首都ロ-マの都心は、数千年に及ぶ歴史の遺産に覆われており、都心部の改造は、極めて困難である。独裁者ムッソリ-ニは、万国博覧会を招致する為、市の南部にEUR地区の計画を実現すべく努力したが、途中で挫折した。この構想は戦後に受け継がれ、ロ-マの副都心として、現在のEURとして実現 した。然るに、イタリア政府及びロ-マ市当局は、ローマ帝国時代からの旧市街地に十分な土地を、官公庁及び一般業務用地として供給することが困難なため、 EURの東そして環状高速道路の内側に新しい都心用地を想定して、広く国際設計競技の手法にも依存して、この地区に新しい都心部を創設する計画を求めた。 日本も含めて諸外国から応募があり、優れた都心部計画が纏まった。然るに、この計画は実現せず、この地区の西側を占める纏まった土地に、一般業務用地も含 むいわゆるス-パ-・ショッピング・センタ-が実現した。この両者の成否の理由と、後者が、現在のロ-マ地区の小売り商業に及ぼす影響等について考察する。
第2課題
メキシコの小都市メックスカルティトランMexcaltitlanの都市の自立性とその将来について
斉藤 麻人 (ロンドン大学政治経済学院大学院)
概要:
 メキシコの首都メキシコ・シティの西方800km太平洋岸に位置する小都市である。このメキシコの小都市は、河のなかの丸い小島全体に拡がっている。このメキシコの小都市は、河のなかの丸い小島全体に拡がっている。人口約二千、河水と海水が潮の干満により交代するので、漁業に恵まれており、観光資源としても特徴がある。しかし、下水道施設をはじめ、島民の為、将来の都市の自立性を如何にして保持して行くべきか。この小社会の沿革と自立性、そしてその将来の発展の可能性及び環境整備について考察する。メキシコ・シティそのものが、歴史的には、湖水の中の島が、都市の発展に従って、湖水を埋め立てて、市街地の拡張を図って今日に至っているのである。

IBSフェローシップ委嘱課題の一覧へ戻る

PAGETOP