IBS計量計画研究所

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「MMに係るワークショップ」全体討議概要(第16回/2024年)

全体討議概要

「MMに係るワークショップ」の後半では、グループ毎にMMに関する悩みを共有し、実在する地域または仮想上の都市でMMを実施する際の悩みを挙げていただきました。それらについての質疑応答を行い、今後MMを進めていくための知見を共有しました。

<対象地域>

  • 地方都市A

<モビリティの現状>

  • バスはあまり使われていない状況

<悩み・相談事項>

  • バスの利用が少ないこともあり、減便となっている。減便する中でも利用を促進させたいところではあるが、難しく感じている。

<回答>

  • 住民との間で、1年の利用状況の目標値を決め、その結果に応じてサービスレベルを再検討する形で、サービスレベル維持の合意をとる方法がある。
  • 兵庫県川西市の事例では、減便が検討される際に、サービスレベル維持のための目標値を決め、1年間の実行期間を設けていた。1年目は目標値を達成できたが、2年目は達成できず、減便という結果になったが、そのような合意があったため、住民のみなさまにも、説明のうえご理解いただいた例もある。

<対象地域>

  • 関東地方にある政令市B

<悩み・相談事項>

  • 公共交通の促進にあたっては、広報が必要だと思っているが、どのような媒体、テクニックを用いることが効果的か。

<回答>

  • 誰に働きかけるか、ターゲットを明確にした広報媒体を使用することが重要。
  • テクニックとしては、通勤目的であれば、例えば、自治体次第では、どこの企業を対象とすべきかが分かっている場合もあるため、その人たちに向けたアプローチをすることもあろうかと思う。
  • その他、渋滞のポイントなど、効果が出るポイントについて絞り込みを行ったうえで対象を選定する方法もある。効果がある部分を示すため、問題があるところに絞って施策を行うことが、説明しやすいのではないか。

<対象地域>

  • 都心に位置する住宅都市C

<モビリティの現状>

  • 公共交通が普及している。
  • 鉄道は、東西方向には伸びているが、南北方向がなく、それを補う形でバスが走行している。

<悩み・相談事項>

  • 現在はバスが充実しているが、運転手不足による減便の可能性が出てきている。
  • 定量的な指標がなく、施策を継続するためにも、結果をどう示していくか悩ましく思っている。

<回答>

  • バスが減便する可能性があることについて、その事情を正直に打ち明けていくこと もあるのではないか。例えば、愛知県春日井市で走行している北部オンデマンドバスでは、予約者が多く、予約が取りにくいという課題があったが、チラシ配布時に現状の課題をお伝えしつつ、より多くの予約を実現させるため、相乗りなどの使い方の提案をするなどの工夫をした。
  • 指標としては、まずは乗客数を定常的に取ることが必要である。その他、働きかけで何を目指すかを意識したアンケートの実施も考えられる。
  • また、一般の方が気軽に見られるような広報 やLINE等で乗客数等の指標を定期的に示し、手応え感じてもらうことが重要である。

<対象地域>

  • 中国地方の都市E

<モビリティの現状>

  • 鉄道が東西方向に伸びており、南北方向は民間バスが走行。都市の西側では、コミュニティバスが運行している。

<悩み・相談事項>

  • 公共交通の利用を推進していきたいと思っているが、地域内の公共交通がそもそも少ない状況であり、今後どう取組を進めていくか悩ましく思っている。

<回答>

  • 取組を進めるにあたっては、自治体の担当者、交通事業者との連携を密にとることが必要。
  • その他、バスの増便が望まれている地域がある場合に、WSが実施されることもあると思うが、住民が主体となって地域や交通について話し合い、まとめてもらえるとよい。

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