IBS計量計画研究所

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「MMに係るワークショップ」全体討議概要(第18回/2026年)

全体討議概要

「MMに係るワークショップ」の後半では、受講者の皆様から松村教授や講師の方々へMM施策実施上でのお悩み相談の時間を設けました。お悩み相談にあたっては、グループでそれぞれのお悩みを共有したのち、ある1都市における実際のお悩み、または、複数のお悩みをまとめた仮想のお悩みに整理してご相談いただきました。
※公開にあたり、お悩みの内容の表現を一部調整しています。

<悩み・相談事項①>

  • 約10年前に新しい道路が開通したことにより、新規道路と既存道路との間で渋滞が発生するようになった。
  • 当該路線の周辺には病院や工場などがあり、渋滞削減のため、公共交通利用の周知活動や周辺企業へのアンケート、信号現示の工夫といった対応もしたが、渋滞を解消するためには道路拡幅するしかないという議論になり、予算が道路拡幅事業にまわったことでMMへの予算がつかなくなった。
  • 予算がない中でできる取組や、効果を示すにあたり、参考になるものがあれば教えていただきたい。

<回答>

  • 企業、団地組合等、今までの取組のストックの活用ができないか。例えば、通勤バスの可能性の相談をしてみたり、相談をする際に、その企業に特化したポケットサイズの時刻表を作成・配布したりすることも有効だと思う。
  • その他の取組としては、病院の待合室にバスの運行情報に関する情報を掲示すること、工場に転勤してくる人に対して、事前に上記のような情報提供をすることも考えられる。
  • 予算確保を目指す中で、わかりやすく効果を示すためには、渋滞長の変化等を効果が出現しやすい場所で計測して示すことも有効な手段の一つである。

<悩み・相談事項②>

  • 東南アジア某国の首都圏において、鉄道以外の路面公共交通の路線計画、乗換の結節点整備を実施しようとしている。
  • まずは、バスと鉄道の乗継の案内や、バスを待つためのベンチ設置といった結節点整備などの取組を始めたいと考えているが、効果を高めるために参考になることがあれば教えていただきたい。

<回答>

  • 海外においても国内と同様に、その場所に住んでいる人の性格や行動、生活圏のイメージを現地に行って理解することが重要と考えられる。
  • まずは、なぜそこで乗換が発生するのか、そこに何があるのか等を理解し、それに対してどのような情報が助けになるのかについて、生活者の行動を想像しながら、ニーズに合った情報提供をしていくことも必要であると思われる。

<悩み・相談事項③>

  • 現在、交通事業者へ依頼しながら、小学校へのバスの乗り方教室や交通すごろく等の取組をしているが、年間でいくつかの学校でしか実施できないのが実情である。過去には人手不足の観点などから、交通事業者に対応をお断りされたこともある。どのように交通事業者と協力をしていくべきか、ご助言いただきたい。
  • MM施策の実施にあたり、予算がつかないことがある。予算が付くような説明の方法を教えてほしい。

<回答>

  • 実際、交通事業者にお断りされることもあるが、まずは粘り強く相談することが大事だと考えている。
  • 授業のやり方は大きく2種類あり、実際に交通事業者に数校でも学校に来てお話しいただく機会を持つ方法と、市の教育委員会と協力して、学校の先生で実施できる教材を作るという方法がある。あるいは、これらを組み合わせてやる方法もあると思う。
  • 小学校では、公共について学ぶ際に図書館を活用することも多いが、児童への学習効果を考えると、実際に体験できるようなものが良いのではないかと思う。
    例えば、京都府久御山町では、バスの車両の持ち込みが難しかったため、組立式の実物大バス模型のようなものを使い、授業を実施したこともある。昨年度から、愛知県春日井市では、エコモ財団からの支援を受け、VRを用いた乗車体験を実施することも目指している。
  • 予算については、初めは100%補助のものを探して施策を行い、その効果をきちんと計測しておくことが次年度以降の取組に繋げるためにとても重要だと考えている。
  • ある一定のところまで行けば、持続的に施策実施が可能になると思うが、それまでは予算獲得のために効果計測が必要となるため、ピンポイントで効果を出すなどの戦略をとることが重要である。効果が出そうな場所や対象者で施策を実施し、そこから広げていくということも方法の一つとして考えられる。

<悩み・相談事項④>

  • 公共交通の利用者は年々減少していく中で、公共交通を使いたいと思っているが使っていない人に、どのように利用促進の取組を伝えるか、また、公共交通を使おうと思ってもいない人にどうアプローチすることが効果的か教えていただきたい。

<回答>

  • 公共交通を使いたいが使っていない人に対しては、現状の公共交通に対する危機感の理解を促すコンテンツを作成すること、公共交通を使おうと思ってもいない人に対しては、まずは働きかけの対象として、どの地域のどの属性の人に効果がありそうか、ということをデータで示してみることが良いのではないか。
  • また、どのあたりに、公共交通を使いたいが使えていない人がいるか、について、高校生のことから考え始めることも一つの方法である。
    高校生は基本的に自動車を使えず、公共交通を通学に使うしかなく、家から通えない場合、引っ越しが発生するパターンもある。そのため、高校生が通学可能か、ということについてチェックシートを作成してみることがおすすめである。さらには、作成したチェックシートを高校の入試説明会の段階で公共交通の情報とあわせ紹介することも効果的だと思う。
  • 公共交通の現状が危ないのであれば、その状況をきちんと住民に説明しておくことも重要である。また、平均何人利用していたか、利用してくれたおかげで、どのくらい平均乗車人数が変化したか、という成果のフィードバックをすることにより、手ごたえを感じてもらうことも一つの方法である。

<悩み・相談事項⑤>

  • 路線バスが廃止になったことにより、市の方で従来の路線を一部変更のうえ代替運行をしている路線がある。
  • これからの取組として、乗換の案内や乗り方教室の実施も考えているが、路線変更に対する不満を持つ住民もいる中で、今ある資源を活用し、長く使ってもらえる路線にするための事例があれば参考にしたい。

<回答>

  • 栃木県小山市では、発行しているタブロイド紙vol.3にて住民から市役所へのQ&Aの特集を作り、直球な質問にも誠実に回答するなどした。このように、真摯に説明をしていくことが大切だと思っている。
  • 一定の利用者がいればサービスレベルを向上させ、そうでなければ経過観察、場合によってはサービスレベルを低下させる、という約束をあらかじめしている自治体の例もある。

<悩み・相談事項⑥>

  • コミュニティ交通の運賃設定が悩ましい。

<回答>

  • 市の負担を少なくさせる方法として、自治会費から持ってきたり、企業からの協力金を得たりなど、いろいろ方法はあると思う。
    例えば、栃木県宇都宮市にて、地域住民が主体となって運営する地域内交通では、地域の人から支援をいただき、足りないところは市から支援している。
  • 地域属性にもよるため、一概に料金はいくらが良いということは回答できないが、運賃を無料にはしない方が良い。無料にするときはやめる時で、無料にしても乗らなかったら廃止、ということになると思う。

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