IBS計量計画研究所

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「MMに係るワークショップ」全体討議概要(第15回/2023年)

全体討議概要

「MMに係るワークショップ」の後半では、グループ毎にMMに関する悩みを共有し、実在する地域または仮想上の都市でMMを実施する際の悩みを挙げていただきました。それらについての質疑応答を行い、今後MMを進めていくための知見を共有しました。

<対象地域>

  • 仮想都市A

<モビリティの現状>

  • MM実施中。

<悩み・相談事項>

  • 地域内部・外部(住民、観光客)への周知方法に悩んでいる。

<回答>

  • 最近の観光客はサステナブルな旅を求めている方も多くいる。そのような観光客に対する施策を用意する方法もある。金沢市の事例のように、観光客向けの取組が住民にも波及することもある。
  • 転入者に対して公共交通マップを配布するという事例のように、行政サービスの一環として施策をビルドインさせることが重要。この際、健康維持のためなど、住民が公共交通に乗る動機づけ与えると、より効果的になるのではないか。

<対象地域>

  • 関東地方にある政令市B市

<モビリティの現状>

  • MM導入段階。
  • 車で市内のスポーツ施設に応援しに行くなど、移動は車中心の住民が多いという点が課題。

<悩み・相談事項>

  • MM始めの段階で、住民にどう伝えていくか悩んでいる。

<回答>

  • スポーツに関係するMMとして、岡山市のサッカーチームであるファジアーノ岡山では、公共交通を使って、試合会場へ行くという企画を実施していた。これを参考にしてはどうか。
  • 団体との連携は、チームのブランド力となる点からも効果的であると考える。施設や団体と連携しながらMMを行うことで、今後も続いていくような施策になるのではないか。

<対象地域>

  • 都内にあるC区

<モビリティの現状>

  • MM導入段階。
  • 3種類のコミュニティバスがあるものの、赤字となっている状況。

<悩み・相談事項>

  • シェアサイクルもあわせ、今以上に公共交通を利用してもらうことを最終的な目標としている。
  • 他地域へのアクセスが良いという環境の中で、区民に公共交通を利用してもらうために、どのようなものが区民に対してインセンティブとなるか。

<回答>

  • 乗り放題チケットやサブスクといったデジタル系サービスを導入し、MaaSを組むきっかけを作るのはどうか。そのほかにも、運転免許証の返納者に公共交通を利用してもらうための取組など、様々な世代に応じた施策を検討してみると良い。

<対象地域>

  • 人口が約20万人程度の地方都市D市

<モビリティの現状>

  • バス路線、鉄道はある程度運行している。
  • これから本格的にMMに取り組んでいこうとしている。

<悩み・相談事項>

  • 小学校の社会科でMMの授業を組み込みたいが、現場が忙しく、なかなか話し合いの場が持てない。
  • 現場と協働するために、効果的なアプローチ方法を教えていただきたい。

<回答>

  • 教育委員会の方とつながりのある先生から、教育委員会にアプローチをするという方法がある。教育委員会関係の方とつながりのある先生に授業を実施してもらい、その先生の授業を真似てほかの学校にも波及させている例もある。学校MMは、札幌市で精力的に取組まれているので、参考にしてはどうか。
  • 土木・学校教育双方の専門家から実践例や研究発表を聞くことができる「土木と学校教育フォーラム」(毎夏開催)が参考になるのではないか。

<対象地域>

  • 東京隣県のベッドタウンE地域

<モビリティの現状>

  • 住民にとって鉄道は東京に行くための手段であり、普段の移動はバスか車が大半である状況。

<悩み・相談事項>

  • 交通について、住民間で意見を出し合うような意識を醸成するために、どのような方策があるか。
  • また、MMに関する行政内連携の意識改革の方策についてもお聞きしたい。

<回答>

  • 利用者が増えそうな路線がある住民を対象に、「利用促進について考えてみよう」と働きかけるのはどうか。まずはその路線・地域ピンポイントで連携を取り、徐々に他の地域も巻き込んで市町全体のMMにつなげられると良い。また、住民にMMについて意識してもらうためにも、どのくらいの人が公共交通を利用しているかなどの情報公開をすることが重要である。その情報を見て、自分がアクションを起こすことで乗車人数などの数値、さらには社会が変わっていくことを実感させられれば、住民の次の行動につなげられると考える。
  • 行政内連携については、公共交通の利用促進を念頭に置いたときに、今の仕事をどのように変えれば利用促進につながるか考えることが重要である。いろんな手を尽くしてこそ利用促進が進むと思う。
  • 行政内の、連携したい部署とどのような関係を作るかが重要。課単位ではなく部単位へ働きかけたり、場合によっては政策関係の部署と連携を取ったりすることも必要である。

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