IBS計量計画研究所

English

2020年IBS研究発表会

概要

 2020年 IBS研究発表会は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため日程を変更し、来場者数の削減や会場内の感染対策とあわせて、リアルタイムでの画像配信を併行して開催いたしました。
 お忙しい中、会場ならびに配信にてご参加頂きました皆様方に、厚く御礼申し上げます。

日 時 2020年9月30日(水) 10:00~12:30
会 場 アルカディア市ヶ谷「富士(西)」
  • 会場の様子

プログラム

プログラム内容

挨拶 (岸井隆幸 代表理事)

MaaSで加速する交通まちづくり

発表者林 健太郎(都市地域・環境部門 研究員)

 マイカーという魅力的な移動手段以上に魅力的なモビリティサービスを提供し、新しい価値観・ライフスタイルの創出を目指していく概念である「MaaS(Mobility as a Service)」が近年脚光を浴びており、「MaaS」の実現に向けた取組みが全国各地で展開されています。
 本発表では、当研究所が支援している「my route(福岡市・北九州市)」「郊外住宅地と観光地のMaaS(川崎市・箱根町)」「しずおかMaaS(静岡市)」の事例について報告を行い、MaaSの実装に向けた主体間連携の仕組み、およびMaaSで得られるデータの有用性等について、考察しました。

仙台・山形・東京の都市圏パーソントリップ調査データから読み解く都市交通特性

発表者廣川 和希(都市地域・環境部門 研究員)

 我が国では、1967年の第1回広島PT調査以降、65都市圏、延べ143回(2019年4月時点)のPT調査が全国で行われてきており、その調査結果は、都市交通の現況の把握をはじめ、将来交通需要の予測や都市交通マスタープランの作成等に活用されてきています。
 本発表では、直近に行われた仙台、山形、東京という都市圏規模の異なる3都市におけるPT調査に着目し、都市交通の基本特性(生成原単位、外出率、交通手段分担率等)を都市圏間で比較しました。また、特徴的な比較結果について、その要因を分析して得られた知見から、今後の都市交通調査に向けた考察を一例として提示しました。

空き地・空き家を活用した地域活性化に向けて

~地方都市における民間主導でのアプローチを通じた一考察~

発表者稲原 宏(都市地域・環境部門 グループマネジャー)

 人口減少社会における典型的な都市空間の変化として、都市内部において低未利用空間が様々な規模・形態で散発する「スポンジ化」が課題となっています。コンパクトシティ政策を一層推進し、スポンジ化の解消とあわせて快適な都市環境の形成を実現していくためには、空き地・空き家などの低未利用空間を放置することなく、地域の潜在的なニーズに対応する資源ととらえ、柔軟かつ合理的に活用していくアプローチが重要となっています。
 本発表では、平成30年および平成31年に実施された国土交通省での低未利用空間を活用したモデル事業の結果より明らかとなった、利活用にあたっての留意点について報告しました。

物流が迎える転換期とこれからの貨物車交通

発表者岡 英紀(交通・社会経済部門 グループマネジャー)

 人手不足に端を発し、今、物流を取り巻く動向は大きく変化しています。サービス水準の適正化や、新技術・プラットフォームを通じた効率化が進展していくとともに、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、人々の生活様式を大きく変え、物流もまた対応を迫られています。
 本発表では、主に貨物車による幹線輸送を想定しながら、貨物車交通を取り巻く社会動向、足元の物流の現状、ならびに国が取組む施策動向を整理し、今後想定される貨物車交通の変化について報告しました。
 当研究所では、今後も、物流を取り巻く不確実な社会情勢や施策動向を注視してシナリオプランニングを図りつつ、計画立案のためのデータ分析・政策提言に取り組んで参ります。

都市部の交通渋滞解消に向けて

~地域と連携した渋滞削減の取組み~

発表者水田 哲夫(交通・社会経済部門 研究員)

 都市部など交通量の多い地域では、朝夕のピーク時間帯等に、交通容量以上の交通需要が生じ、日常的に渋滞が発生しています。渋滞は、環境への負荷や渋滞に巻き込まれることによる損失時間など外部不経済として、これまで様々な対策が講じられてきました。
 本発表では、ソフト施策である交通需要マネジメント(TDM)施策として、沖縄県の「わった~バス大実験」の取組みを紹介しました。地元企業との連携や、長年継続して公共交通利用促進の取組みを行っている「わった~バス党」との連携など、地域と連携して取り組むことの重要性について報告しました。

IBS研究発表会の一覧へ戻る

PAGETOP