IBS計量計画研究所

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2021年IBS研究発表会

概要

 2021年 IBS研究発表会は、昨年に引き続き、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大防止のため、来場者数の削減や会場内の感染対策とあわせて、リアルタイムでの配信を併行して開催いたしました。
 お忙しい中、会場ならびに配信にてご参加頂きました皆様方に、厚く御礼申し上げます。

日 時 2021年7月7日(水) 10:00~12:00
会 場 コモレ四谷タワーコンファレンス「Room D+E」
  • 会場の様子

プログラム

プログラム内容

挨拶 (岸井隆幸 代表理事)

実践に学ぶモビリティ・マネジメントのかんどころ

~小山市コミュニティバス利用促進プロジェクトから学んだ教訓~

発表者萩原 剛(交通・社会経済部門 グループマネジャー)

 交通渋滞や地域公共交通の維持・確保、環境問題や中心市街地の衰退など、「自家用車への過度な依存」に起因する諸問題を緩和・解決することを目指した「モビリティ・マネジメント(Mobility Management: MM)」の取組が我が国で実践されはじめて約20年が経とうとしています。
 本発表では、2018年より始まった小山市コミュニティバス「おーバス」利用促進のためのMMプロジェクトの実施内容、効果をとりまとめるとともに、「目標を共有できる中心メンバーと組織をつくることの大切さ」や「目標に向かって持続的に取り組むことの重要性」など、本プロジェクトから学んだ「マネジメント」の重要性について報告しました。

アフターコロナの不確実な時代に都市と交通の未来をどう描くか?

~東京都市圏における人の活動のシミュレーションの事例から~

発表者石井 良治(データサイエンス室 ITマネジャー)

 新型コロナウイルス感染症を契機としたリモートワークの普及に見られるように、近年ICTの進展等により人々の行動が大きく変化しつつあり、将来予測が難しい「不確実性の高い時代」になってきています。
 本発表では、不確実性の高い時代における都市交通政策の考え方を整理し、シミュレーションのプランニングへの活用方法に関して、東京都市圏おける取り組み事例を基に提示しました。多様なシナリオを多様な視点から政策評価し、定量的に可視化することで、様々な主体の共通理解の醸成ツールとしてのシミュレーションの活用可能性を示しました。

前橋市における公共交通の高度化に向けた取り組みについて

~バス共同経営、MaaS、自動運転等へのチャレンジ~

発表者木全 淳平(都市地域・環境部門 研究員)

 多くの地方都市では自動車利用の増加に伴や人口減少に伴い、バス路線の維持・確保が困難になりつつあります。そのような中、増加する高齢者の足の確保や衰退する中心市街地のアクセス性確保など、公共交通は様々な課題を抱えています。
 本発表では当研究所が長きにわたり関わってきた前橋市において、地域の移動環境の向上のため様々な取り組みが行われてきた事例を紹介しました。特に中心部で6社のバス事業者の路線をパターンダイヤ化すべくバス共同経営計画を本研究所の支援で策定した取り組みについては、複数のバス事業者を抱える他の自治体においても参考になるものと考えています。

新たな技術を活用した交通流動把握の取組

~センサーデータによる可視化技術の向上に向けて~

発表者絹田 裕一(交通・社会経済部門 担当部門長)

 近年のスマートフォン等の普及やICT技術の進展に伴い人の移動をセンシングする技術が格段に進歩し、これらの新たな技術によって取得されてビッグデータの都市交通施策への活用が期待されています。
 本発表では、岐阜県高山市の中心市街地において取得したWi-Fiパケットセンサーのデータを用いて、ミクロな視点での都市交通施策で用いられる評価指標を算定し、データの適用性を確認しました。具体的には、来訪者数や滞在時間、立ち寄り箇所数等のまちの賑わいを示す指標や、移動時間等の利便性を示す指標を算定し、利用実態に即した指標値が得られることを示しました。

新型コロナウイルス感染症の影響による交通行動の変化

~ビッグデータから見えること~

発表者河上 翔太(交通・社会経済部門 研究員)

 2020年初頭より、COVID-19による世界的パンデミックが発生し、新しい生活様式の実践が求められています。特に、2020年4月7日に発令された緊急事態宣言下においては、多くの企業でテレワークが実施され、個人の活動においても外出自粛が行われた結果、コロナ禍前と交通行動に大きな変化が生じています。
 本発表では、ETC2.0プローブデータとトラカン交通量データを用いて、自動車の交通行動変化を分析したうえで、ニューノーマルに向けた新たな都市・交通政策についての考察を報告しました。また、分析に用いたETC2.0プローブデータの利活用にあたっての留意点について報告しました。

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