IBS（The Institute of Behavioral Sciences−一般財団法人計量計画研究所）は、わが国の学術研究活動に寄与することを目的として、研究助成制度「IBSフェローシップ」を実施しています。毎年、研究者を公募し、海外における特定テーマの研究を助成致します。関心のある方は積極的に応募してください。なお、研究成果は公刊致します。

◆2019年度研究テーマ

2019年度は下記２テーマについて実施します。

①米国におけるStreet Design Guideの影響と効果

　米国の68の主要都市と11の公共交通機関から構成されるNACTO（National Association of City Transportation Officials）は、将来の都市が備えるべきモビリティのビジョンを示し、世界の都市交通関係者からも注目されている。特に、NACTOは、道路の機能分類に応じた新たな視点からの街路構造デザインとして、「Urban Street Design Guide」、「Global Street Design Guide」などの複数のガイドラインを出版している。我が国においても、歩行者中心のまちづくりを進めることを目指す道路空間再配分を実行していくための取り組みとその地域・地区に合った街路のデザインガイドが求められる状況にある。
　本テーマでは、米国でNACTO出版された先のガイドラインの適用状況や影響、効果などを具体的な事例に基づいて調査を行い、我が国での街路区空間への適用に向けた知見をとりまとめる。

②ハンブルクの都市開発「ハーフェンシティ」における駐車場整備の考え方とその評価

　ドイツ・ハンブルク市では欧州最大規模の都市開発プロジェクト「ハーフェンシティー」が注目を集めている。このプロジェクトは、港湾地区157haを再開発し、持続可能性に配慮した21世紀型の新都心を目指すものであり、1997年にビジョン承認、2000年にマスタープラン決定、2001年に着工され、2025年完成を目標としている。このプロジェクトの特徴は、環境、エネルギーに配慮した持続可能な都心としての新たな概念に基づく土地利用、交通に加え、歴史・文化とのつながりを維持することを重視した水辺開発である。また、開発に際し、市民はじめ関係者に対するコミュニケーションを重要な柱と捉えていることも大きな特徴である。
　本テーマでは、ハーフェンシティ再開発のプロジェクトの全体像を捉えるとともに、駐車場整備に着目した調査を行う。具体的には、駐車場整備の実態とその考え方を整理するとともに、道路及び駐車スペースを減少させて公共空間を拡大させ、徒歩と自転車利用、公共交通とのアクセス向上を図るという考え方とそれに対する市民、事業者、行政からの評価を明らかにし、我が国における今後の駐車場整備における知見をとりまとめる。

◆助成対象研究者

研究方針等を審査の上、2つのテーマにそれぞれに委嘱

◆助成金額および期間

2つのテーマそれぞれ2年間で150万円

◆応募要領

・資　　格：学歴職歴は不問。原則として、海外生活経験者。
・応募方法：

・締め切り：2019年6月7日（金）必着
・発　　表：2019年6月下旬、本人宛通知（応募の秘密厳守）
・採択された方は、2019年7月22日（月）開催のフェローシップ発表会において、研究方針の発表をお願いします。