IBS(The Institute of Behavioral Sciences−一般財団法人計量計画研究所)は、わが国の学術研究活動に寄与することを目的として、研究助成制度「IBSフェローシップ」を実施しています。毎年、研究者を公募し、海外における特定テーマの研究を助成致します。関心のある方は積極的に応募してください。なお、研究成果は公刊致します。
2018年度は下記2テーマについて実施します。
スペインのマドリード市は、2003年に市長となったルイス・ガジャルドンの下、M30ハイウェイの地下化プロジェクトを実行した。このプロジェクトでは、マンサナレス川と並行して走るM30のマドリード南西部の区間を地上から地下に埋設し、交通渋滞、沿道への騒音、排気ガスといった公害の被害を最小化させるとともに、開放された上部空間をプロムナード型公園として整備し、新たなリバーフロントの公共空間の創出、低所得者向けの住宅建設等を目的として実施された。
2003〜2007年に、マドリード市南西部を流れるマンサナレス川に沿って通っていた環状道路M30が都市再開発計画により地下に埋設され、2007〜2011年に、その跡地に全長10kmに及ぶ大規模な緑地帯「マドリード リオ MADRID RÍO」が完成した。
本テーマでは、M30ハイウェイの地下化プロジェクトに至った経緯に加え、開放された上部空間の計画、その事業内容、実施プロセスを調査するとともに、現在におけるそのプロジェクトの効果・影響を把握し、今後の我が国における高速道路の地下化とそれに伴う都市空間整備に関する示唆をとりまとめる。
メデジン市は、コロンビアの中央に位置する同国第2の大都市であり、長年にわたって麻薬犯罪の巣窟として名を馳せていたが、1990 年代初頭に麻薬王が死去して以降、都市再興に取組み、急成長した都市である。最近では、2012年にciti 創立200周年を記念してWall Street Journalとともに行ったCity of the Year の投票で200都市の中からthe Most Innovative City として選出され、また2013年には、Veronica Rudge Green Award において、世界で最も優れた都市デザインの都市として、メデジン市が選出された。また、都市交通についても、高架通勤電車、ロープウェイ、BRT、支線バスからなる統合的公共交通システムや自転車シェアリング、LRTの建設等、先進的な取組みが実施されている。
本テーマでは、当初、麻薬とマフィアによって治安が悪かった状態から、どのような都市計画・都市開発を実行し、現在の優れた都市に発展してきたか、我が国でのこれまでの研究成果を踏まえつつ調査し、我が国における都市開発・都市再生への示唆をとりまとめる。
研究方針等を審査の上、2つのテーマにそれぞれに委嘱
2つのテーマそれぞれ2年間で150万円
・締め切り:2018年6月15日(金)必着
・発 表:2018年6月下旬、本人宛通知(応募の秘密厳守)
・採択された方は、2018年7月20日(金)開催のフェローシップ発表会において、研究方針の発表をお願いします。
※「個人情報に関する同意書」(PDF)はここからダウンロードして下さい。
E-mailにて応募される場合は、電子ファイルにパスワードをかけて送信して下さい。
IBS 一般財団法人 計量計画研究所
IBSフェローシップ運営委員会
岸 井 隆 幸
〒162-0845 東京都新宿区市谷本村町2-9
TEL:03-3268-9911 FAX: 03-3268-9919
問合せ・申込み先:総務部 佐伯・谷貝(やがい)
<電子メールでのご応募>
E-mail: fellowship@ibs.or.jp